今後の研究の推進方策 |
本研究はまず、polyhedral productと呼ばれる、抽象単体複体とその頂点でラベル付けされた空間対から構成される空間で、高次Whitehead積、つまり、ループ空間の非可換性に関連するホモトピー不変量と密接に関わりのあるものの, ホモトピー論的、組み合わせ論的性質を調べ、次にその結果を写像空間等に応用することにある。まず、polyhedral productに関する研究は、関連するStanley-Reisner環のGolod性に関する研究をさらに進展させる。これに関してはBahri, Bendersky, Cohen, Gitlerによる一回懸垂した際のホモトピー分解を自然に実現するフィルトレーションをpolyhedral productに定義し、それを解析することにより行う。また、polyhedral productの特別な場合である、moment-angle複体のコホモロジーだけではなく、より一般のpolyhedral productのコホモロジーの環構造について、フィルトレーションとともに調べる。その後、Golod性に関する研究結果である、polyhedral productのウェッジ分解を用いて、高次Whitehead積などの高次作用素との研究を調べ、これを写像空間等に応用する。特に、写像空間の評価ファイブレーションの連結写像に関して詳しく調べる。
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