溶解結晶模型,4次元や5次元の超対称ゲージ理論,局所トーリックカラビ・ヤウ多様体上の位相的弦理論はいずれも分配函数がヤング図形の言葉によって定式化されるという共通の特徴をもつ.本研究はこれらの数理物理の模型やその変種の中にKP階層,戸田階層やそれらの簡約系が内在することを明らかにした.この研究の過程で量子トーラス代数や量子ダイログ函数に基づく新たな計算技法も開発された.さらに,そのような可積分構造からこれらの模型に付随する量子ミラー曲線(あるいは量子スペクトル曲線)を導出し,それらが可積分階層の理論で以前から知られていたカッツ・シュワルツ作用素の類似物であることを指摘した.
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