研究概要 |
平成25年度は、以下のA1、A2、B1、B2の研究を実施した。 A1.べき乗型の場合の準線形退化型ケラー・シーゲル系の大域的弱解の存在のために必要な初期値に対する仮定を弱める。 A2.放物・楕円型ケラー・シーゲル系の解の有界性について考察する。 B1.空間周期的な初期値に対する複素ギンツブルク・ランダウ方程式の時間大域的可解性を示す。 B2.p乗可積分な関数空間における複素ギンツブルク・ランダウ方程式の時間局所的可解性を示す。 A1については、Tao-Winkler (J. Differential Equations, 2012)による研究を参考にして、助教の石田祥子氏、大学院生の関清隆氏との共同研究として、新しい結果を導くことに成功した。A2については、Paderborn大学のWinkler教授、大学院生の藤江健太郎氏と共同で研究を行い、第2方程式の解の下からの評価に着目して、未解決問題に解答を与えることに成功した。また、その成果を、国際会議「The Equadiff 13 conference」(Prague, August 26-30, 2013)や国内の研究集会等で発表した。B1については、先行結果で仮定されていた条件を改良することに成功し、論文としてまとめ投稿準備中である。B2については、助教の吉井健太郎氏、大学院生の下妻大輔氏等との共同研究により、精密かつ一般的な結果を得ることを成功した。
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