研究実績の概要 |
平成27年度は、主に以下のA4、B4の研究を実施した。 A4. より一般の準線形退化型ケラー・シーゲル系の解の有界性 B4. 複素ギンツブルク・ランダウ方程式の解の消滅 A4については、拡散項と凝集項がともに一般的で退化する場合に、石田祥子氏との共同研究として、新しい結果を導くことに成功した。その結果は、国際会議「Equadiff 2015」(Lyon, France, July 6-10, 2015)及び「8th International Congress on Industrial and Applied Mathematics」(Beijing, China, August 10-14, 2015)において報告した。また、大学院生の吉野徳晃氏との共同研究として、同様の問題に対する作用素論的なアプローチを構築することに成功した。さらに、大学院生の水上雅昭氏との共同研究として、2種走化性モデルに対する解の挙動に関する先行研究を改良することにも成功した。これらの結果は、日本数学会等の国内学会で報告し、論文としても専門誌に投稿した。また、関連する研究として、退化型拡散項をもつ癌浸潤走化性モデルの時間大域的可解性と解の漸近挙動に関する結果を得ることも成功した。B4については、ポストドクトラル研究員の側島基宏氏、大学院生の森口真至氏との共同研究として、複素ギンツブルク・ランダウ方程式の解の消滅に関する新しい結果を得ることに成功した。
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