研究課題/領域番号 |
25400120
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
高橋 眞映 東邦大学, 理学部, 訪問教授 (50007762)
|
研究分担者 |
塚田 真 東邦大学, 理学部, 教授 (10120198)
小林 ゆう治 東邦大学, 理学部, 訪問教授 (70035343)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | Banach algebra / BSE and BED / Segal algebra / fixed point theorem / Ulam type stability / linear isometry / Jensen type inequality / Archimedean group |
研究実績の概要 |
本研究は Gelfand 変換像及び Helgason-Wang 変換像を特徴付ける事により、可換Banach 環の分類を行い、その本質を探る事及びその応用が目的であった。実際これらの特徴付け問題から可換 Banach 環を4つのクラスに分類したのであるが、我々はこの分類に関連し、主として Segal 環の調査及び応用面で以下の実績をあげた。一つは米子高専助教古清水大直氏等の協力を得て、ある種の関数空間の間の実線形等距離写像は、ある種の分離条件のもとで、絶対値1の連続関数と位相写像によって表現される事を示した。またこの分離条件を外すと表現定理が成り立たない事も示した。一つは北大名誉教授井上純治氏の協力を得て、H. Reiter による可換群環の Segal 環を一般の可換 Banach 環の場合に拡張し、その代数的性質を調査した。更に局所 A-関数によって導かれる新しい Segal 環を構成しその BSE-性及び BED-性を調査した。一つは新潟大学教授三浦 毅氏等の協力を得て、2項演算に関する alternative 準同型写像を導入しその Ulam 型安定性問題を調査した。得られた結果は幾つかの重要な関数方程式に関するUlam 型安定性問題に適用された。一つは放送大学在籍の中筋康夫氏の協力を得て、実数の区間上の狭義単調連続関数の作るある種の商空間に順序を導入し、その商空間上で定義された新しい平均関数が順序を保存する事を示した。更にこの新平均関数を用いて、負の荷重を持つ Jensen 型不等式を導いた。一つは、通常の位相と順序を持つ実数全体 R にそれらと両立する半群構造を入れたとき、R のある種の開区間はアルキメデス群になり、それは加法群 R に同型である事を示した。これは C. R. Storey とは異なる手法を用いている。 これらの結果はしかるべきジャーナルに掲載された。詳細は研究発表の欄を参照されたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自然な擬位相の構成に関する研究や新しいSegal 環の構成が進展していないため当初の計画よりやや遅れている。 しかしながら可換 Banach 環の分類に関連して、安定性問題や不等式問題、また関連した半群構造の分類問題の解明はやや進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
1. Doss 型の定理を満たす可換 Banach 環の研究を進める。
2. Lau 環の BES-性及び BED-性の調査をする。
3. Ulam 安定性問題、抽象 Jensen 型不等式の調査及び実数上の連続半群の構造の調査を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究打ち合わせのための出張が、当初予定していた回数より減ってしまったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究打ち合わせ他、調査のための旅費や研究推進のためのパソコンおよび図書の購入に当てる。
|