研究課題/領域番号 |
25400124
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
本田 卓 岩手大学, 教育学部, 准教授 (30633531)
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研究分担者 |
川田 浩一 岩手大学, 教育学部, 教授 (70271830)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 関数解析 / バナッハ空間 / 作用素論 / 非線形関数解析 / 解析的数論 |
研究実績の概要 |
本研究は、バナッハ空間の直交分解を利用して、バナッハ空間の構造を明らかにすることを目的にしている。本年度は、直交分解を確率過程を表すマルコフ作用素の半群における分解定理に応用した研究を本田が中心に行い、その結果を、7月に大阪府立大学で催された国際研究集会The 22nd International Conference on Difference Equations and Applications(ICDEA2016)において、岩田氏(気象大学校、東北学院大学)との共同研究として、8月に新潟で催された国際研究集会The fifth Asian conference on Nonlinear Analysis and Optimization (NAO-Asia 2016)において、本田の単独研究として発表した。これらの研究集会では、国内外の研究者、特に数学の応用分野の研究者と情報交換をすることができた。今回発表した結果は、確率的な摂動を含む力学系の解析に、Jacobs-de Leeuw-Glicksbergの分解定理を応用したSineの結果を参考に、実、複素バナッハ空間の両方で、Sineの結果の拡張を試みた。Springer Proceedings in Mathematics & Statisticsの特別号への掲載が受理されている。さらに、川田が数論を中心とした研究を行い、京都大学数理解析研究所講究録別冊にその成果が「Goldbach問題 --- 3つの素数の和について」として出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現段階での研究を発表した結果、特に応用分野の数学者から助言を得ることができ、今後の研究計画の参考になったため。
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今後の研究の推進方策 |
今までに収集した情報を基に、川田氏の協力の下、以下のような研究計画を実施する。 バナッハ空間の構造をみるためには、非拡大射影の像となり得る集合の性質を明らかにすることは有用であるが、一般にこのときの射影は非線形写像となる。よって、射影が線形写像に近くなる条件をつけた上で、直交分解の応用を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は2つの国際研究集会に参加し、時間的余裕ができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果発表のための旅費や学会参加費、発表のためのノートパソコン費等に使用する。
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