本研究は、バナッハ空間の直交分解を利用して、バナッハ空間の構造を明らかにすることを目的にしている。本年度は、直交分解を確率過程を表すマルコフ作用素の半群における分解定理に応用した研究を本田が中心に行い、昨年度に国際研究集会The 22nd International Conference on Difference Equations and Applications(ICDEA2016)において岩田氏(東北学院大学)との共同研究として発表した研究を、確率的な摂動を含む力学系の解析におけるJacobs-de Leeuw-Glicksbergの分解定理を応用したSineの結果を、本田、岩田のおのおのの研究を利用し、実、複素バナッハ空間の両方で拡張した結果が、Springer Proceedings in Mathematics & StatisticsのAdvances in Difference Equations and Discrete Dynamical SystemsにOperator Theoretic Phenomena of the Markov Operators which are Induced by Stochastic Difference Equationsとして掲載された。 さらに、川田が数論を中心とした研究を行い、L. Zahaoとの共同研究が投稿中である。また、数学セミナー,2017年6月号に「3つの素数の3乗の和の話」、数理科学,2017年9月号に「ゴールドバッハ予想と円周法」として論文が掲載された。
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