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2016 年度 実施状況報告書

無限次元タイヒミュラー空間の幾何構造の構築

研究課題

研究課題/領域番号 25400127
研究機関千葉大学

研究代表者

藤川 英華  千葉大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80433788)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2019-03-31
キーワード複素解析学 / リーマン面 / タイヒミュラー空間 / モジュラー群 / 擬等角写像 / 双曲幾何
研究実績の概要

この研究では,無限型リーマン面に対する無限次元タイヒミュラー空間の幾何構造の構築を行う.これまでの研究では,無限次元タイヒミュラー空間上に作用するタイヒミュラーモジュラー群の力学系の考察を行い,特に,タイヒミュラーモジュラー群それ自身や重要な部分群の不連続性を考察することにより,タイヒミュラーモジュラー群の部分群による新しい商空間をいくつか提示してきた.今年度の研究では,谷口雅彦氏(奈良女子大学教授)との共同研究で,リーマン面とその上の可算無限個の点集合の組みに対する擬等角変形空間を考案し,新しいタイヒミュラー空間を導入した.これは,例えば,正則写像の反復合成から導かれる正則力学系において重要な役割を果たしている周期点全体からなる可算集合などに応用される.そして,このタイヒミュラー空間が複素構造を持つ状況について考察した.これはリーマン面と可算無限個の点集合に対するある幾何学的な条件下で可能であり,実際,点集合の外部として得られる無限型リーマン面に対するタイヒミュラー空間の複素構造から自然に誘導される.証明は,その無限型リーマン面に対するタイヒミュラーモジュラー群の元で,リーマン面のある種の境界を固定するもの全体からなる部分群のタイヒミュラー空間への作用の不連続性が鍵となっている.さらにこの考察を応用し,有限生成クライン群とその固定点集合に対する擬等角変形空間およびタイヒミュラー空間に対する結果を得た.この成果は国際的な専門誌にすでに掲載済みであり,今後の研究に大きく寄与するであろうと思われる.特に無限生成クライン群にも一般化されることが期待できる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標としている研究の主要な部分について,その方向性が明らかになった.また問題点と今後の課題も具体的に明らかになっている.

今後の研究の推進方策

これまでに得られた結果を講演により成果を公表することで,新しい視点を議論したい.また研究連絡やセミナーでの講演を行い,関連する研究者と意見交換をする.

次年度使用額が生じた理由

都合により,当初予定していた出張を行わなかったため.

次年度使用額の使用計画

国内研究集会およびセミナーに出席して,関連する研究者との研究連絡を行う.また国際研究集会に参加し,成果を公表する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] The Teichmuller space of a countable set of points on a Riemann surface2017

    • 著者名/発表者名
      Ege Fujikawa and Masahiko Taniguchi
    • 雑誌名

      Conformal Geometry and Dynamics

      巻: 21 ページ: 64-77

    • DOI

      https://doi.org/10.1090/ecgd/301

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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