研究課題/領域番号 |
25400133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山田 雅博 岐阜大学, 教育学部, 教授 (00263666)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 放物型ハーディー空間 / 拡張関数 / 放物型極大関数 / 放物型共役関数 / 放物型ハーディー空間上の作用素 |
研究概要 |
連携研究者ら全員が,しっかりした研究計画を持ちながら本研究に取り組めるよう,全体の初動の研究状況を把握し,研究打ち合わせ等を主催した。研究面では,放物型ハーディー空間の性質の研究を行った。特に,平成25年度における研究では,L{\alpha}-調和な拡張関数と放物型極大関数との関係に関する研究を行った。研究代表者と菱川洋介氏はこれまで,放物型ベルグマン空間における放物型共役関数に関する共同研究を行ってきた。ここでは,その研究を参考に放物型ハーディー空間においても同様の概念を持つ関数を定義し,それらについて研究を行った。放物型共役関数に関する研究結果は,p=1 のときの双対空間の研究に応用されるであろうことが,予想されている。平成25年度では,p=1 のときの双対空間の研究の取りかかりまで着手した。この結果は,共著論文として,まとめ現在は学術雑誌に投稿中である。また,平成25年度においては,放物型ハーディー空間上の作用素の研究を行う準備として,放物型作用素 L{\alpha} の基本解の境界付近での挙動の解析を行った。本研究において研究対象としたい作用素は,L{\alpha} の基本解を用いた積分作用素として定義される。よって,この基本解の性質を解析することは重要である。L{\alpha} の基本解は,ほとんど具体的には記述されていない。ゆえに,境界付近での挙動を解析し,評価などを与えることを試み,それらに成功した。さらに,L{\alpha}-調和な拡張関数とハーディー・リトルウッド型の極大関数との関連性についても考察を行った。これらの関連性について,ある程度の結果を得ることに成功し,研究集会等において発表を行い,質疑応答を経て,より洗練された結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度における研究計画では,まず明らかにしたい放物型ハーディー空間の性質及び,今後の研究の見通しなどについて連携研究者ら全員がしっかりした共通認識を持つことから始める予定であった。これについては,しっかりした共通認識を持つことができたと考える。また,25年度に予定していた,放物型共役関数に関する研究について,予定通りに,p=1 のときの双対空間の研究の取りかかりまで着手した。この結果は,共著論文として,まとめ現在は学術雑誌に投稿中である。放物型作用素 L{\alpha} の基本解の境界付近での挙動を解析し,評価などを与えることを試み,それらに成功した。これも予定通りである。さらに,L{\alpha}-調和な拡張関数とハーディー・リトルウッド型の極大関数との関連性についても考察を行った。これらの関連性について,ある程度の結果を得ることに成功した。以上より,おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度以降は,放物型ハーディー空間の解析を引き続き行うとともに,放物型ハーディー空間の上で定義されるトエプリッツ作用素やハンケル作用素を中心とした積分作用素に対する解析を行う。平成26年度は,ファトゥー型の境界極限存在定理などの研究,p=1 のときの放物型ハーディー空間の双対空間の研究などを,平成25年度に引き続いて行う。これらの研究は,平成26年度でその大部分について収束させ,結果をまとめ研究集会等で発表する予定である。特に国内では,幾つかの研究集会にて発表し,広く議論を重ねるつもりである。
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次年度の研究費の使用計画 |
その他の経費として、会議費を予定していたが、経費を必要としない会議を持ったため。 平成26年度の会議の経費に使用する予定である。
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