研究課題/領域番号 |
25400142
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小櫃 邦夫 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (00325763)
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研究分担者 |
愛甲 正 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (00192831)
松村 慎一 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (90647041)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リーマン面 / モジュライ / 双曲幾何 / ケーラー計量 |
研究概要 |
点付きリーマン面のタイヒミュラー空間の研究は古典的であるが、最近ではさまざまなアプローチから新しい知見が得られている。特に双曲幾何的に構成された理想的三角分割を用いて定義される新しい座標の解析が進んでいる。 この座標の長所は、古典的に知られた座標とは異なり、写像類群のタイヒミュラー空間への作用が、きちんと記述出来ることにある。さらに、その特徴を生かして、タイヒミュラー空間のコンパクト化空間のより精密な解析への展望が開けた。本研究課題において、研究代表者は、Mondello 氏, Luo氏らによる新しい座標を用いて、点付きリーマン面のタイヒミュラー空間上のTakhtajan-Zograf 計量を記述することを、現在の目標としている。その記述が得られれば、未だ手つかずの状態であるTakhtajan-Zograf 計量の曲率の性質を明らかにするための、強力な手段となることが予想される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Takhtajan-Zograf計量の境界挙動の評価を2008年の論文で、To氏、Weng氏とともに与えた。一昨年その境界境界挙動の上からの評価を、最良と思われるオーダーに改良することに成功した。その後、下からの評価を前記の最良と思われるオーダーへ改良することに取り組んでいるが、まだ成功していない。
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今後の研究の推進方策 |
Takhtajan-Zograf計量の境界挙動の下からの評価の改良に、引き続き取り組んでいく。また、 Mondello氏による、双曲幾何学的方法を用いた、Weil-Petersson計量のケーラー形式の境界挙動の結果と、研究代表者とWolpert氏による結果を比較することにより、Takhtajan-Zograf計量のケーラー形式の大域座標表示公式を決定したい、と考えている。
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