研究課題/領域番号 |
25400142
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小櫃 邦夫 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (00325763)
|
研究分担者 |
愛甲 正 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (00192831)
松村 慎一 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90647041) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | モジュライ空間 / ケーラー計量 / 双曲幾何 |
研究実績の概要 |
27年度は、以前から取り組んできたTakhtajan-Zograf計量のモジュライ空間の境界挙動の問題において、Melrose氏、Mazzeo氏らによる進展があり、彼らと研究討論を行うために、ケンブリッジ大学ニュートン研究所で行われた研究集会「Metric and Analytic Aspects of Moduli Spaces」に出席した。代表者が試みてきた方法とは異なるb-解析と言われる手法を存分に使った彼らの研究について、精査した。難解な理論であるため、未だに完全な理解には到達していないが、努力を継続している。また、それと関連して、conicalな特異点を持つリーマン面の計量の研究にも関心を持ち、最近進展についても多くの論文を読み込むことで、最新の手法を身につける努力を継続している。現在注目しているのは、多重同質的関数の概念で、これを足がかりに長年取り組んできたモジュライ空間の境界幾何学の解明に新機軸を開くことを目標にしたい。 双曲幾何学について、最近では色々なMcShaneタイプの恒等式が得られている。それらについて解析的な方法による解釈と応用を与える試みを行った。また、Eisenstein級数については、従来のカスプに対する古典的な級数に加えて、双曲的な級数にも関心を広げ、それらを組織的に調べる方向で研究を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は学内的な仕事が特に多く、まとまった時間を研究に当てることが、かなり難しい状況にあった。28年度は、27年度よりは多く研究の時間を確保できるので、研究の遅れを取り戻したい。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度は、今までに得られた結果をまとめて、論文を投稿したい。また、以前から証明できると感じている主張について、時間をかけて証明に取り組みたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学内的な委員の仕事が忙しく、研究費を使い切るのが困難であったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
28年度の旅費などに使用する。
|