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2016 年度 実績報告書

集団遺伝学の確率モデルに関連した確率解析

研究課題

研究課題/領域番号 25400143
研究機関福岡女子大学

研究代表者

飯塚 勝  福岡女子大学, 国際文理学部, 学術研究員 (20202830)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード確率過程 / 集団遺伝学 / 確率モデル / 分子進化 / 遺伝子重複 / 遺伝子変更
研究実績の概要

「自然淘汰の相互作用を伴う多次元確率モデルの研究」の一環として、昨年度までに、間接的な作用を含む互助的相互作用による分子進化の確率モデルの解析を終了し、その成果を学術論文として公表した。本年度は、このモデルと共通点をもつ遺伝子重複を伴う互助的相互作用による分子進化の確率モデルの定式化と基本性質の解明を行った。そのためには、自然淘汰様式を適切に変更し遺伝子変更と呼ばれる重複遺伝子と対応する元々の遺伝子間での状態の変更を起こす要因を新たに導入する必要がある。このようにして定式化されたモデルは多次元マルコフ連鎖、もしくは、拡散過程として記述される。拡散モデルを用いてある境界に到達する平均待ち時間を偏微分方程式として表現した。この結果により、遺伝子変更の効果は一見すると復帰突然変異の効果と類似しているが、より深く考察すると複雑な挙動を誘発することが示唆される。しかしながら、偏微分方程式の解析は容易ではないので、マルコフ連鎖モデルのコンピュータ・シミュレーションを用いて遺伝子変更が平均待ち時間に与える影響を定量的に解析した。
「集団遺伝学におけるランダムな媒体中の確率過程の研究」に関しては、これまでにランダムな環境下でのモラン・モデルとライト=フィッシャー・モデルの極限過程である2つの拡散過程が同一でない可能性を考察してきた。今年度はランダムな環境を2値マルコフ連鎖で記述することにより、2つのモデルの2次モーメント(分散)の極限が異なることを明らかにした。
さらに、パラメータ間の新たな関係を導入すると、モラン・モデルの強自然淘汰・弱突然変異極限が、これまでに現われなかった双一般化拡散過程となる場合があることを示し、その極限過程の性質と生物学的重要性を考察した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 遺伝子変更が互助的相互作用による分子進化に及ぼす効果の数理的解析2016

    • 著者名/発表者名
      飯塚 勝
    • 学会等名
      九州分子進化セミナー
    • 発表場所
      九州大学・伊都キャンパス
    • 年月日
      2016-11-11
  • [学会発表] 遺伝子重複の効果を含む互助的相互作用による分子進化機構の確率モデルの定式化2016

    • 著者名/発表者名
      飯塚 勝
    • 学会等名
      九州分子進化セミナー
    • 発表場所
      九州大学・伊都キャンパス
    • 年月日
      2016-07-01

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公開日: 2018-01-16  

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