研究課題/領域番号 |
25400153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神保 秀一 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80201565)
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研究分担者 |
本多 尚文 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00238817)
利根川 吉廣 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80296748)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ラメ作用素 / マックスウェルの作用素 / 固有振動 / 摂動公式 / 領域変形 |
研究概要 |
1. 特異領域変形とラプラス作用素の固有値の解析:領域内に特定の余次元2以上の多様体のε管状近傍を考え、領域全体からこのε管状近傍を取り除いた特異領域を上のラプラス作用素の固有値の漸近挙動を解析した. 穴の縁でノイマン境界条件やロバン境界条件を課した際の固有値の摂動公式を導出した. これらは故小澤真氏が始めた課題であるがそれを大体の場合に完結させたものと言える. 2. 細い複合領域上のラメ作用素の固有値の解析:細い弾性体を組み合わせてできる複合物体の弾性振動現象の振動数の特徴付けを目指している. 今回3本の細い弾性体が交差するジャンクションをもつシンプルな場合の細い極限において固有値や固有関数がどのように挙動するのかを調べた. 極限方程式は4階常微分作用素の連立系となることがわかりジャンクションにおける接合条件を導出することに成功した. 3. ストークス作用素の固有値のアダマール変分:緩やかな流体現象のモデル方程式に現れるストークス作用素の固有値の滑らかな領域変形に対する固有値の変分の研究でディリクレ条件の場合に摂動公式を得ることに成功した. また, スリップ条件の場合にも計算して公式の予想を得ることができた. スリップ条件の場合の解のアプリオリ評価等の基礎的な手法を確立して摂動公式を得るための道筋を見いだすことができた. 4. 特異領域変形と電磁場の固有振動数の解析:マックスウェル作用素の固有値の問題において領域に小さな球状の穴あるいは小さな管状の穴を開けてできる特異領域において固有値および固有関数の漸近挙動を解析した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラプラス作用素の固有値の研究で様々な境界条件を扱い時間を消費してラメ作用素やマックスウェルの作用素の固有値問題に取り組む進度が遅れ気味となっている.
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今後の研究の推進方策 |
現時点で行っている研究は特別なケーススダディとも言えるのでこれを一般化してリアルなモデル方程式の状況の課題の解決に向いたいと考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していたシンポジウムが主催者側の都合で参加しなかったため, また, 共同研究者が予定していた私の大学での議論が諸般の都合でなかったための旅費部分が支出されなかった.分担者が予定していた出張予定が諸般の理由で取りやめになったことがあげられる. 上記の理由となっていた研究活動を今年度に持ち越して行う. そのための経費として使用する.
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