本研究では,線形放物系,および放物系と双曲系の中間に位置するC_0-半群を生成する線形系に対して,フィードバック安定化機構の構築を,境界観測 - 境界制御機構のもとで,代数学的・幾何学的アプローチにより行った.その結果,被制御系に対する何らの有限次元近似系の存在をも仮定しない(たとえば,係数閉作用素に関わる Riesz基底の存在も仮定しない).無限次元作用素方程式を基盤に,統一された原理に基づく安定化論を構築できた.また,系の状態を安定化しつつ,より速い減衰率をもつ自明でない出力安定化を達成する制御系についての新しい知見を得た.
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