本研究開始から4年目に当たる平成28年度も,海外の連携研究者との交流や私の研究室所属の博士後期課程及び博士前期課程の大学院生の協力によって,精力的に研究を続けることができた。得られた研究成果は国際的に評価の高い専門誌や総合誌に掲載済みまたは掲載決定(出版社Web上に公表済み)された6編として結実した。本科学研究費の支援であることを明記した原著論文も合計で12編となったことから,本研究課題は十二分な成果を上げることができたと言える。そのうち1編は出版社の事情によって,受理から冊子体として出版されるまでに時間がかかったが,海外の連携研究者との共著論文である。また,現在,4編の学術論文を国際誌に投稿・査読中である。 さらに,平成28年度に得られた成果報告として,招待講演4件を含む計12件の口頭発表を行った。内訳は海外発表が5件,国内発表が7件であった。国内発表のうち1件は差分方程式に関する国際研究集会での発表である。 本科学研究費を活用して,中国吉林省にある東北師範大学で国際研究ワークショップを連携研究者と主催した。このワークショップには,本研究課題を補助した大学院や島根大学の教員数名も参加し,各自の将来的な共同研究の可能性や方向性について検討できたことも収穫であった。 幸いにも平成29年度から新たな研究課題に関する科学研究費が採択された。本科学研究費の支援によって得られた多くの成果が今後の研究の発展にも十分に寄与するものと期待できる。
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