研究課題/領域番号 |
25400178
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
北 直泰 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (70336056)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 非線形シュレディンガー方程式 / 解の漸近挙動 / 解の爆発 |
研究実績の概要 |
本年度は、複素数係数を非線形に含むシュレディンガー方程式の初期値問題について、非線形エネルギー散逸モデルの場合に対して「解の減衰評価」に取り組み、非線形増幅モデル(EDFA)の場合に対して「解の有限時間爆発の証明」に取り組んだ。本年度は、特に非線形項のベキの条件を緩めて、上記の減衰評価や有限時間爆発の証明に成功した。その際に、重要な道具になるもは「truncated L^2 norm(切り取られたL^2ノルム)」と呼ばれるものである。これを利用することにより、従来では非線形項のベキが「2.68より大、3以下」という制約の下で構築されていた減衰評価の理論が、「1より大、3以下」の範囲に広がった。ただし、大きな初期データの場合には、相変わらず複素係数の付加条件を課す必要があるので、これを取り払えるものかどうかが今後の検討課題として残っている。なお、初期データがδ関数の場合には、上述の複素係数の付加条件を課さなくても、解の減衰評価を得ることができることが分かっている。したがって、初期データとしてδ関数に近いものを考えれば、この課題を克服できるのかもしれない。さらに、非線形増幅モデルの場合には、有限時間で爆発する解の存在、つまり、初期データが特別な場合に解が爆発することまで示すことができた。0とは異なる任意の初期データに対して、解が有限時間で爆発するのかどうか、これもまた今後の課題として残っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属部局において、授業や組織運営の負担が重いこと。加えて休業中の業務(免許更新講習、数学教育会、入学試験の問題作成と採点業務)に忙殺されて、なかなか研究活動に専念できないこと。
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今後の研究の推進方策 |
学内外で共同研究者を探して、アイデアを共有し論文作成の効率化を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本科学研究費の他に他大学研究者の科学研究費から分担金を得ており、そちらの使用を優先してしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
USBなど消耗品の購入に充てたい。
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