非線形項に複素係数を含むようなシュレディンガー方程式の初期値問題について、解の挙動を調べた。この方程式によって表わされる現象は、光ファイバー内を伝搬する光(=電磁波)信号の形状変化である。ファイバーに含まれる不純物の種類によって、①非線形的なエネルギー散逸を伴う場合と、②非線形的な増幅効果を伴う場合がありうる。今回の研究成果として、①の場合に大きな初期データに対して解の一様ノルムの減衰オーダーを特定した。さらに、解のL^2ノルムが時刻の経過に伴っていくらでも小さくなることも示した。また、②の場合に小さな初期データであっても有限時刻で解のL^2ノルムが正の無限大に発散しうることを示した。
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