研究課題/領域番号 |
25400183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
加藤 圭一 東京理科大学, 理学部, 教授 (50224499)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Wave packet transform / Schroedinger equation / Modulation space / Wave front set / Harmonic oscillator |
研究概要 |
波束変換によるシュレーディンガー方程式の解を表現を用いて,ポテンシャルをもつシュレーディンガー方程式の解の特異性を初期データで特徴付けることおよびポテンシャルをもつシュレーディンガー方程式の解の変調空間ノルムでの評価を行った.具体的には以下の通り. 1.空間に関し2次より小さい増大度で時間に依存するポテンシャルをもつシュレーディンガー方程式の解の波面集合(Wave front set)を初期関数により特徴付けた.また,調和振動子に2次より小さい増大度の摂動を加えたポテンシャルをもつシュレーディンガー方程式の解の波面集合の初期関数による特徴付けの問題を考察した.調和振動子に摂動を加えたポテンシャルの問題については,論文の執筆をまだ行っていないが,内容的にはほとんど完成している.本研究の方法は,古典軌道に沿って波面集合が伝わることを直接的に示す方法で,物理的に自然であり,今後の応用が期待できる. 2.空間に関し2次以下の増大度で時間に依存するポテンシャルをもつシュレーディンガー方程式の解の変調空間(Modulation space)ノルムを初期関数の同じノルムで評価した.シュレーディンガー方程式の解を変調空間ノルムを用いて評価する問題は,ポテンシャルがある場合には,大掛かりな道具を用いる方法しか無かったが,本研究では波束変換を用いた解の表現を変調空間で評価し,物理的に自然な方法で,変調空間での有界性を得ている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調和振動子に摂動を加えたポテンシャルのシュレーディンガー方程式の場合に,解の波面集合の特徴付けを行うことができたことで,おおむね,本研究は順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
以下の研究を行う予定である. 1.ベクトルポテンシャルをもつシュレーディンガー方程式の解の特異性の特徴付けを行う. 2.波束変換を用いた解の表現を用いて,時間に依存するポテンシャルをもつシュレーディンガー方程式の波動作用素の存在と完全性を証明する. 3.2.を非線型シュレーディンガー方程式の時間漸近挙動に応用すること.
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次年度の研究費の使用計画 |
連携研究者が予定より国内旅費を使わなかったため,若干の次年度使用額が生じた. 平成26年度は,連携研究者の1人が海外で発表する予定で,その旅費の一部として用いる.
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