研究概要 |
正則グラフの{a,b}-因子についていくつかの結果を得て、論文として投稿し、採録が決定した。得られた結果をまとめると、rを5以上の奇数とし、kを2以上r/2以下の偶数、またはkをr/3以上r/2以下の奇数とすると、ループとか多重辺の許されたr-正則グラフには{k,r-k}-因子が存在することを示した。ここで{a,b}-因子とは、各点の次数がaまたはbである全域部分グラフである。主な手法は帰納法と正則グラフの因子に関する既知の深い結果と、もしr-正則グラフに{k,r-k}-因子があれば、その補部分グラフも{k,r-k}-因子になることを利用して証明した。 この他、グラフの別の因子として、各成分がサイクルか星になる因子についても結果を得て論文として発表した。これは従来サイクルまたは星の一方のみを成分にする因子が研究されていたが、それを統合したものである。これについては、30年前に得られたが長い証明があることがわかったが、これとは全く違う新しい簡潔な証明を与えた。 グラフの因子は特別な全域部分グラフであるが、全域木も特別な全域部分グラフである。グラフの全域木に関する研究も行った。木からすべての葉を除去すると茎(Stem)と言わる部分木がえられるが、グラフに特別な茎を有する全域木が存在するための十分条件について調べた。例えば、茎の最大次数がkとなる全域木が存在するための十分条件を求めた。最後に、幾何的グラフ理論についても研究を行った。
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