研究実績の概要 |
aとbとrをa+b=r, a<=r/2を満たす正の整数とする。課題はrが奇数のとき、r-正則グラフには{a,b}-因子が存在することを示すことである。ここで{a,b}-因子とは、各点の次数がaまたはbである全域部分グラフをいう。なお、rが偶数のときはaとbがともに偶数なら成り立ち、aとbがともに奇数なら成り立たないことがわかっている。aが偶数でa<=r/2の時と、aが奇数でa<=r/3のときには成り立つことが証明でき、論文として発表した。その後AxenovichとRollinによりもしr>=(a+1)(a+2)なら{a,b}-因子のないr-正則グラフが存在することが発表された。これは課題が常に成り立つわけではないことを示している。未解決の最小の場合は、r=5,a=1,b=4の場合である。つまり「5-正則グラフには{1,4}-因子が存在する」ことを示すことである。David WangとShipeng Wang と一緒にこの場合をかなり調べているが現在まだ証明はまだできていない。しかし多くの新し状況がわかてきた。課題に関連して、グラフの全域木とか幾何的グラフの研究も行っている。下記の論文が関連する論文である。
Saieed Akbari and Mikio Kano, {k,r-k}-Factors of r-Regular Graphs, Graphs and Combinatorics, 30 (2014) 821-826 M.Kano, M. Tsugaki and G.Yan, m-dominating k-ended trees of graphs, Discrete Math. Vol.333 (2014) 1-5, M. Axenovich and J. Rollin, Brooks type results for conflict-free colorings and $\{a,b\}$-factors in graphs, arXiv:1410.1219, 2014.
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