研究課題/領域番号 |
25400189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小池 健一 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90260471)
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研究分担者 |
赤平 昌文 筑波大学, 名誉教授 (70017424)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 逐次推測 / 有効性 / 情報不等式 |
研究概要 |
本研究は,非正則な場合における有効な逐次推測方式を構築することにある.その手始めとして,本年度は非正則な条件下における逐次推測方式の有効性について,推測方式の有効性を測る情報不等式の構築に関する研究を行った.統計的推測理論において,不偏推定量の良さを測るものとしてクラメール・ラオの不等式による不偏推定量に対する分散の下界がよく知られている.この不等式による下界は,正則条件を課すことでバッタチャリャ型の不等式で精密化(改良)される.一方,ベイズ推定に対しても,二乗誤差の下でのベイズリスクの下界を与える不等式がBorovkov and Sakhanenko (1980)によって与えられている.また,Brown and Gajek (1990)は,この不等式の精密化を行った.これら2つの論文は,いずれもクラメール・ラオ型の不等式である.これに対して,Koike (2006)では,Borovkov and Sakhanenko (1980)の不等式のバッタチャリャ型の精密化を行っている.本研究では,Brown and Gajek (1990)で与えられた不等式のバッタチャリャ型の精密化を行っている.また,ベイズ推定量のバイアスに対する仮定を課すことにより,下界の漸近表現を示した.さらに,Borovkov and Sakhanenko (1980)やBrown and Gajek (1990)の下界の漸近表現を与え,その比較を明示的に示した.応用例として,局所ミニマックスリスクや予測問題に対する下界,およびその漸近表現を示した.また,具体例に対して,Koike (2006)での下界を改良していることも示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有効性を測ることができなければ,実際に与えられた推測方式が良いものであるか否かは分からない.本年度は,その第一歩として,有効性を測るための不等式の構築に成功した.この不等式の導出には正則条件が課されてるので,理想的な条件下での結果はある.しかしながら,正則な場合での良さを測ることを可能にし,非正則条件に拡張する歳の目安となり得ると思われる.
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今後の研究の推進方策 |
正則条件を緩めることが可能かどうかについて,研究を進めたい.また,Borovkov and Sakhanenko (1980)に対して,van Trees(1964)による不等式がある.これについても様々な応用研究があるが,他の不等式による下界との関連が未知であるようなので,これについても検討をする予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に書籍を購入予定であったが,出版が遅れて取り寄せが不可能であったため. 当該の書籍を購入する予定である.
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