研究課題/領域番号 |
25400193
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
新井 敏康 千葉大学, 大学院理学研究科, 教授 (40193049)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 証明論 |
研究実績の概要 |
本年度は5つの論文を執筆して現在いずれも専門誌および論文集に投稿中である。 いずれもarXivにpostしており、公表済みである。ひとつめは直観主義命題論理の研究ふたつで、そのひとつはdisjunctive propertyのある拡張が多項式時間完全であること、ふたつめはproof searchを導入してそのKripke完全性を示した。さらに直観主義述語論理の断片いくつかの決定可能性も示した。ふたつめは最小の非可算順序数の存在を許した集合論に対するhydra gameを定義してその停止性の当該の集合論からの独立性を示した。非常に強い集合論の証明の有限的な解析がこれによってはじめて可能となった。みっつめはある2階論理でのカット消去を、順序数を証明図に対応させて示した。この2階論理のカット消去はrecursively inaccessible ordinalの集合論の1-consistencyと同値である。よっつめは自然数上の単調作用素の最小不動点の公理をいかに弱めれば可述的となるか、その限界を示した。結論は超限帰納法公理を正論理式の論理積まで許せば可述的となるが、正論理式の論理和を用いればsmall Veblen ordinalまでの超限帰納法が必要となるというものである。いつつめで高橋元男と前原昭二による2階論理のカット消去のふたつの証明を統一的に理解するためのsemanticsの枠組みを提示した。真理値の組をひとつの真理値とみなすという方法である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教科書(新井敏康著、「集合・論理と位相」東京図書刊)の執筆、専門書(T. Arai, Ordinal Analysis, Springer刊行予定)の執筆と管理・運営および学外の会議(非公表)等により研究課題の進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の前半も専門書(T. Arai, Ordinal Analysis, Springer刊行予定)の執筆を継続しなければならず、十分な研究時間の確保が難しいことが予想される。 現在はordinal上のnormal functionのderivativeの存在という事実の証明論的強さを定位する結果を執筆中。 次年度後半には本研究課題の研究に戻る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究時間の確保のために出張を差し控えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度末に金沢で開催される国際研究集会の際に海外から研究者を呼び寄せるための旅費と11月にドイツの研究所で開催される研究集会に参加するための旅費として使用する予定である。
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