感染症流行の基本再生産数とその派生指標を時間変動環境で計算する方法を発展させるとともに,周期的環境におけるエンデミック閾値現象を解明した。またケルマック・マッケンドリック再感染モデルを構造化個体群モデルとして再定式化して、その数学的構造を明らかにするとともに、劣臨界分岐の存在条件を示し、無症候性感染や非臨床的感染の存在が劣臨界における流行を維持する可能性を明らかにした。体内におけるウィルス感染モデルによって、細胞間直接感染が体内のウィルス増殖に大きく寄与していることや、特定のHIVウィルスがパンデミックとなった要因としてある種のウィルスタンパク(HIV-1Vpu)の役割を定量的に明らかにした。
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