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2013 年度 実施状況報告書

生化学ネットワーク記述計算言語の意味論-局所性と因果律の解明-

研究課題

研究課題/領域番号 25400195
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

浜野 正浩  東京大学, 情報理工学(系)研究科, 研究員 (50313705)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードrule based modelling / kappa 計算 / 化学マスター方程式 / 化学反応ネットワーク / 確率プロセス計算
研究概要

研究テーマのひとつ"kappa計算の意味論としての化学マスター方程式"に取り組んだ。化学反応で知られている非決定論的な確率離散モデルであり、時間発展を定式化する化学マスター方程式を、stochasticなプロセス計算の意味論として再構成・定式化することを試みている。今年度は、具体例として、ヌクレオチドや核酸の間のリン酸結合や水素結合やWatson-Crick相補性を基本単位とする確率的な相互作用をからなる"RNA 分子折りたたみ構造"のためのパスウェーをkappa計算によりモデリングをした。この計算言語の記述によって規定される時間発展を与える化学マスター方程式を意味論として構成している。特に1次化学反応からなるこのパスウェーの方程式が定める平均、分散が、反応速度からなる行列の固有値で特徴づけられいることを確かめている。生化学的にコンパクトな折りたたみ構造の遷移状態の計算論的根拠を、構成された意味論のある不変性で特徴付けるため、rule refinement/abstractionの対をモデルの中での随伴性によって捉えようと準備中である。このために今後必要な展開として、このパスウェーを構成するネットワークトポロジーから定性的性質を抽出できるFeinbergの化学反応ネットワーク理論を組み込むことが手掛かりになるであろう。このためには、化学反応のもう1つのモデルである決定論的な連続反応速度方程式意味論との関連を、この具体的パスウェーの中で明らかにする必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

十分なエプォートがとれなかった。
成果発表や論文投稿準備が遅れている。

今後の研究の推進方策

研究実績を完成、投稿するために、化学反応ネットワークを用いた不変量、不変性質の研究を進める。
さらに発展的課題としてrule redfinement/abstractionの双対性をより抽象的に捉える手法を構築する。
また具体例を通じて今年度明らかになってきたkappa計算言語のcompact性とagilityを足がかりに、研究テーマ"stochasticな因果律(causality)"を始める。

次年度の研究費の使用計画

計画していた設備備品(PC)を購入しなかったため。
計画していた旅費を執行できなかったため。
現在投稿準備中の国際会議発表に当てる。さらにそれを利用して、関連研究者との研究打ち合わせを行う。

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公開日: 2015-05-28  

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