研究課題
RNA転写伸張(transcription elongation)はBrownianラチェット機構とヌクレオチド化学反応からなるmechano-chemicalな相互作用である。このためのmechano-chemicalパスウェーを確率プロセス計算としてのRule Based kappaを用いエージェント間の相互作用を計算とみなしながらsyntaxとsemantics両方向から分析した。このパスウェーがヌクレオチドと伸張複合体(TEC)の局所的なsite間の相互作用として記述できることからruleのコンパクトさが保証され、きめ細かいものから粗い記述を一様に得るruleの抽象化を可能にした。この記述の離散的確率的意味論として (化学反応から得られるKolmogorov方程式の一種である)化学マスター方程式を構成した。この方程式が定めるMarkov過程の定常状態を、詳細釣り合いをチェックする化学者に用いられるアルゴリムWegscheider conditionを用いて行った。さらに上で得られた rule抽象の妥当性を、(化学反応の速度に関するある仮定のもとでの)準定常状態近似(QSSA)が随伴(adjoint)な対応を与えることから示した。一方、この確率モデルに対する熱力学的解釈もBoltzmann分布によって与えることができた。転写伸張を構成する主要なパスウェーがMichaelis-Menten型酵素反応とみなせることから、様々な形態をとるエージェントの間の自由エネルギー分布との対応にによって与えられた。
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Electronic Notes in Theoretical Computer Science, Elsevier.
巻: To appear ページ: 15pages
doi:10.1016/