研究課題/領域番号 |
25400197
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
本田 敏雄 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (30261754)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 変数選択 / 高次元データ / 変動係数モデル / セミパラメトリックモデル |
研究概要 |
平成25年度は以下の二つの研究成果を挙げた。これらの成果は、(超)高次元データの柔軟なデータ解析を考える際に重要な選択肢の一つとなる変動係数モデルに関する極めて有用な結果である。 一つは継続中であったフンボルト大Haerdle教授との共同研究“Variable Selection in Cox Regression with varying coefficients”である。これは、変動係数Cox回帰モデルを高次元データに適用する際の、変数選択と定数係数の特定化を同時に行うペナルティー付きの部分尤度推定法に関する研究である。この研究は完結し、Journal of Statistical Planning and Inference誌に掲載された。また香港でのWorld Statistics Congressにて研究発表も行った。 二つ目は国立台湾大Ming-Yen Cheng教授、国立シンガポール大Jialiang Li准教授、香港バプティスト大Heng Peng助教授との共同研究“Nonparametric independence screening and structural identification for ultra-high dimensional longitudinal data”である。これは、超高次元のlongitudinal dataに対して変動係数モデルを考える際に、変数選択、定数係数の特定化、推定量の改善を行う研究である。independence screening、SCADなどのペナルティー付きの最小2乗法、郡内分散の推定量を取り入れた重み付き最小2乗法を順次行うことにより、適切な半変動係数モデルを見つける手法を与えた。この研究成果は一部は、国内外での国際学会で発表中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高次元変動係数モデルにおける変数選択に関する研究では、 1.継続中であった変動係数Cox回帰モデルに関するフンボルト大Haerdle教授との共同研究について、国際学会での発表、査読付き国際誌での公刊まで進み予定通り完結させた。 2.(超)高次元longitudinal dataに対する変動係数モデルの変数選択を中心とした推定問題についてのMing-Yen Cheng教授およびHeng Peng助教授との共同研究では、Jialiang Li准教授を加えて一定の成果を挙げ、“Nonparametric independence screening and structural identification for ultra-high dimensional longitudinal data”という形にまとめて http://arxiv.org に公開した。さらに国際誌に投稿中であり、国際学会でも発表を行いつつある。 従って、本研究はおおむね順調に進んでいると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の成果を踏まえながら、主に以下の問題について、予定通りMing-Yen Cheng教授らとの共同研究を進めていく。 1.他の設定の下での変動係数モデルおよび他のセミパラメトリックモデルに対して、同様のindependence screening、ペナルティー付きの推定などによる変数選択および構造の特定化について研究する。 2.(超)高次元のlongitudinal dataにおける変動係数モデルについて、平成25年度の研究成果の改善、再検討を行う。 以上の問題およびその他の問題について、これまでどおり、電子メールによる意見および情報の交換、相互訪問による研究打合せにより検討、議論を進めていく。その結果に従い、平成25年度と同様に、適切な役割分担を行った上で共同研究を進めていく。以上の研究の進捗状況に応じて、SCAD、Lassoなどのtuning parameterを持つペナルティー型の変数選択法とAIC、BICなどの情報量基準と組み合わせた、実務家に使いやすい変数選択法の研究なども行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度夏、香港バプティスト大Heng Peng助教授を訪問した際、滞在費について香港バプティスト大より一部補助を受けたことなどにより若干の残額が生じた。 以上の残額は平成26年度に国内外の学会参加の際に使用する予定である。
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