研究課題
有限要素法の誤差解析においては、補間誤差の解析が重要な役割を果たします。平成27年度においては、研究分担者の土屋卓也教授(愛媛大学)と共同で三角形要素および四面体要素の補間誤差解析について集中的に研究を行い、いくつかの重要な結果を得ました。具体的には、Babuska-Azizによる最大角条件についての1976年の有名な結果を、行列のKronecker積を用いて再構成することにより、Lp空間における高次Lagrange補間の評価へ拡張し、さらに、三角形の外接半径を用いて誤差評価を統一的に評価することにより、三角形が潰れていく場合にも適用できるように応用範囲を拡大しました。この研究成果については、チェコ科学アカデミーで開催されたApplications of Mathematics 2015 (AM2015)で発表を行い、参加者から高評価を得ました。また、四面体要素についても、三角形要素と同様の手法が適用できることを発見し、四面体を底面に垂直な平面に射影した三角形の外接半径を用いる誤差評価を得ました。これにより、四面体が潰れる場合に誤差が増加する場合と増加しない場合の分類ができるようになりました。四面体要素上の補間誤差評価の分析に付随して、n次元単体とそのn次元単体を構成するn-1次元単体の外接半径や体積について成り立つ公式を発見しました。この公式は、今後、補間誤差評価の空間次元を一般化する際に役立つ可能性があると考えています。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Applications of Mathematics
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