研究概要 |
(1) アフィン幾何AG(2n,4)における平面全体がなすデザインの分割数を求めるためのプログラムを作成し, 6通りの場合分けをしたときの分割数を数え上げた. しかし, 理論的には更なる場合分けにより, より多くの部分デザインに分割可能であることを示すことができたことから, 今後もプログラムを改良し計算を継続する予定である. (2) 量子ジャンプ符号を与える組合せデザインt-SEEDの特徴付けと再帰的構成法の提案を行った. この結果は査読付き国際雑誌に掲載予定である. (3) 重み3の衝突回避符号の最大符号語数は, 偶数符号長については完全に解明されているが(研究代表者の成果を含む), 奇数符号長についてはほとんどわかっていない. 本年度の研究では, タイトかつ等差という条件を付加した衝突回避符号の最大符号語数が厳密に決定できる奇数符号長のシリーズを与えることができた. この結果は国際会議でも発表し, 査読付き国際雑誌にも投稿し掲載された. (4) これまでに知らている衝突回避符号の最大符号語数の研究結果は, 重み3の場合がほとんどである. 本年度の研究では, (3)で述べた重み3の場合と並行して, 重み4の等差衝突回避符号の最大符号語数についても符号語数の理論的上限値を求め, それを達成できる符号が体系的に構成できるか否かを調べた. これまでに, 奇数全体の1/3程度までは, 最大符号語数を決定できることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 計画当初より時間が必要であると想定していたアフィン幾何AG(2n,4)における平面全体がなすデザインの分割数について, 6通りの場合分けに対する数え上げプログラムを作成できた. また, 理論的に可能な場合分けの限界を示すこともできたので, 今後は計算機で算出可能な限り, より多くの分割数を決定するだけという状態になっている. (2) t-SEEDの特徴付けにより新たな構成法を与えることができた. (3) 衝突回避符号の最大符号語数の決定については, 重み3, 4の2つの場合を並行して進め, 重み3について得られた成果は国際会議および査読付き国際雑誌に発表できた.
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今後の研究の推進方策 |
(1)奇数符号長で重み3の衝突回避符号の最大符号語数について, タイトや等差といった性質を付加しない場合について決定していく. すでに, 単群の性質を用いれば決定可能な場合があることの議論に入っており, 一定の成果に近づいている. (2) 重み4の等差衝突回避符号の最大符号語数について, これまでの成果をまとめ, 奇数全体の残り2/3に相当する符号長の各場合について, 既知の手法とその応用を考えていく.
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