研究課題/領域番号 |
25400202
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
芦野 隆一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80249490)
|
研究分担者 |
萬代 武史 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10181843)
守本 晃 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (50239688)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | ウェーブレット解析 / マルチウェーブレット / ブラインド信号源分離 / 四元数フーリエ解析 |
研究概要 |
画像解析における重要なテーマのひとつとして,ハイパースペクトルイメージング(hyperspectral imaging) がある.これは,可視光だけではなく人間が見ることができない電磁波のスペクトル情報を広範囲に観測して対象物を詳しく解析する技術である.たとえば,観測衛星によるリモートセンシングによって地球上のある地域を観測した場合,いくつものスペクトル情報が,異なる重みをかけられて,重ね合わされた複数個の観測結果が得られる.これらの観測結果から,注目している資源がその地域のどこにどの位存在するかを解析することを目的としている. 本研究の目的は,多次元マルチウェーブレット解析をハイパースペクトルイメージングに応用するための数学的基礎について研究することである.2013 年度は本研究の初年度であるため,基礎となる研究を行った.具体的には,四元数に値を持つ関数のフーリエ解析並びにウェーブレット解析の基礎的な研究を行った.四元数は三次元空間における回転に対応するため,コンピュータグラフィックスのアルゴリズムに使われている.四元数は非可換であるため,複素数値関数について成り立つフーリエ解析の定理がそのまま成り立つわけではない.したがって,複素数値関数のフーリエ解析について知られている様々な定理が,四元数値関数の場合には,どのような条件の下で成り立つかを明らかにする必要がある.2013 年度は,コンボリューションはフィルターや線形システムに関係するため,四元数値関数のコンボリューションに関するいろいろな定理を研究し,得られた結果を3編の論文として発表した. また,圧縮センシングを使った符号化において誤り訂正のための手法を提案し,その得失に関して数値実験を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いくつかの基本的な結果を得て論文を投稿し,受理された. そのうち,出版された論文も数編ある.
|
今後の研究の推進方策 |
多次元マルチウェーブレット解析によるブラインド信号源分離に関しては,現在,理論と数値実験の両面から有望なマルチウェーブレットを検討している段階である,基本的な手法の確立を目指し,次年度以降この研究を進展させることが方策となる.
|
次年度の研究費の使用計画 |
782 円で購入できる物品がなかった. 次年度予算と合わせて使用する.
|