研究実績の概要 |
M. Scheepers は、実数の特異部分集合に関する研究の過程で、実数の部分集合 X が開被覆 (open covering) に関する位相的性質 S(Γ,Γ) を満たせば、X 上の連続関数全体に各点収束位相を入れた関数空間 Cp(X) がsequence selection property とよばれる局所的性質を満たすことを示し、実数の部分集合の特異な位相的性質と関数空間 Cp(X )の自然な位相的性質との関係を与えた。この逆が成立するかは多くの研究者により調べられているが、未解決のまま残り Scheepers 予想とよばれている。本研究では、研究代表者の過去3年間の科研費交付期間中の研究成果(特に、Pixley-Roy 超空間に関する成果)を活用発展させ、Scheepers 予想及び関連する諸問題をPixley-Rey 超空間の位相的性質の問題と捉えて解決を目指すことを目的としていた。 最終年度に実施した研究の成果は次にとおりである。
1.Pixley-Roy 超空間が monotonically Lindelof となるための必要十分条件は X の任意の有限積が monotonically Lindelof であることを示した。また、monotonically Lindelof 空間の濃度には上限があることを示し、Levy, Matveev の問題を解決した。 2.Selection Principles の分野の研究において、イタリアの Bonanzinga 氏とselective absolute star-Lindelof 空間の共同研究を行い absolute star-Lindelof 空間であるが、selective absolute star-Lindelof 空間の例を与えて Bhowmik の問題を解決した。
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