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2015 年度 実績報告書

カオス尺度によるカオス現象の定量化

研究課題

研究課題/領域番号 25400216
研究機関山口東京理科大学

研究代表者

井上 啓  山口東京理科大学, 工学部, 准教授 (70307700)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードカオスの定量化 / カオス応用 / カオスの情報論的アプローチ
研究実績の概要

平成27年度は、まず、昨年度からの継続課題である実際的な非線形モデルに対するカオス尺度による評価を行った。具体的には、多重パイこね変換のカオス尺度による評価についての検証を行った。多重パイこね変換は単位平面上で定義され、初期点は時間発展と共に隣接した左右の無限個の単位平面に拡散していくため、一般的には、多重パイこね変換を作用させる単位平面の個数を限定してしまうとカオスの強度が減少する。そこで、単位平面の個数を限定しても多重パイこね変換のカオスの強度に影響を与えない単位平面の最小個数をカオス尺度を用いて見積もった。また、多重パイこね変換の拡散のバランスがくずれると左右のどちらか一方向に拡散するといった現象が現れるが、カオス尺度がこの現象についても十分に捕らえていることを確認した。
次に、時系列でしか力学系の情報が得られない非線形現象のカオス尺度のよる評価を試みた。具体的には、レーザーカオス光より得られる時系列データのカオス尺度の計算を行った。このレーザーカオス光は安価なTHz波を発生させるために利用されており、発振したレーザー光を分光させ、分光させた光を外部鏡により反射させ戻り光を元のレーザー光に加えるといった仕組みで生成される。このとき、主に、2つのタイプの振動(LFFとRO)が発生する。これらの振動のカオスを定量化することが、レーザーカオス光のカオスの強度を調べることになる。そこで、本研究では、LFFとROの時系列データからカオス尺度を求めることを試みた。その結果、レーザーカオス光のカオスの強度が十分でない場合はノイズを多く含んでいることを確認した。今後は、共同研究者の桒島氏(福井工大)より、更なるサンプルの時系列データの提供を受ける予定であり、レーザーカオス光が十分なカオスの強度を得るための条件を検証したいと考えている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of a generalized multibaker map with a boundary condition by the chaos degree2016

    • 著者名/発表者名
      K. Inoue, M. Kato
    • 雑誌名

      International journal on Information

      巻: 19(6 or 7) ページ: 0-0

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] カオス尺度を用いたレーザーカオス時系列データのカオス解析2016

    • 著者名/発表者名
      井上 啓, 桒島史欣
    • 雑誌名

      日本応用数理学会環瀬戸内応用数理研究部会第19回シンポジウム講演予稿集

      巻: 1 ページ: 58-61

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Time evolution of quantum systems related to the quantum Zeno scheme2015

    • 著者名/発表者名
      K.-H. Fichtner, K. Inoue
    • 雑誌名

      International Journal of Pure and Applied Mathematics

      巻: 105(1) ページ: 115-126

    • DOI

      10.12732/ijpam.v105i1.10

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Analysis of an extended chaotic map by the chaos degree2015

    • 著者名/発表者名
      K. Inoue, M. Kato
    • 雑誌名

      Proceedings of the Seventh International Conference on Information

      巻: 1 ページ: 361-364

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] カオス尺度による実験データのカオス解析2015

    • 著者名/発表者名
      井上 啓, 桒島史欣
    • 雑誌名

      日本応用数理学会2015年度年会講演予稿集

      巻: annual2015_08_1_0729 ページ: 0-0

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] カオス尺度を用いたレーザーカオス時系列データのカオス解析2016

    • 著者名/発表者名
      井上 啓
    • 学会等名
      日本応用数理学会環瀬戸内応用数理研究部会第19回シンポジウム
    • 発表場所
      天瀬公民館
    • 年月日
      2016-01-08 – 2016-01-09
  • [学会発表] Analysis of an extended chaotic map by the chaos degree2015

    • 著者名/発表者名
      Kei Inoue
    • 学会等名
      The Seventh International Conference on Information
    • 発表場所
      National Taiwan University, Taipei, Taiwan
    • 年月日
      2015-11-25 – 2015-11-29
    • 国際学会
  • [学会発表] カオス尺度による実験データのカオス解析2015

    • 著者名/発表者名
      井上 啓
    • 学会等名
      日本応用数理学会2015年度年会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2015-09-08 – 2015-09-11

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公開日: 2017-01-06  

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