研究課題/領域番号 |
25400218
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
加藤 昇吾 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60468535)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 統計数学 / 角度のデータ / 国際研究者交流 / アメリカ:イギリス:スペイン |
研究実績の概要 |
風向や分子のねじれ角は観測値が角度として表され、このような「角度」の観測は様々な学問分野において存在している。そして実際に得られる角度の観測を含むデータの多くは、角度のみの1変量データではなく、他の変数と共に観測される多変量データである。1変量の角度データに対しては、近年、多くの統計解析手法が提案されてきているが、角度の観測を含む多変量データに対しては限られたものしかないのが実情である。そこで本研究では、角度の観測を含む多変量データのための統計解析法の発展を目指す。 2年目にあたる平成26年度は、平成25年度に議論した一般次元トーラス上の確率分布に関連した統計的手法を議論した。また、Kato and Pewsey (to appear)とは異なるアプローチによって導出される2次元トーラス上の確率分布を提案し、その統計的性質を考察した。提案した分布はtrigonometric momentを特徴づけることによって導かれ、周辺分布が共に一様分布となる性質を持つ(つまり、コピュラとなる)。この分布はtrigonometric momentの与え方によって、Wehrly and Johnson (1980)の分布等、いつくかの既存の分布を特別な場合として含むことを示した。また、提案した分布のいくつかのサブモデルについて、密度関数が陽な形で表されること、パラメータ解釈が容易であること、擬似乱数発生が容易であること、などが明らかとなった。また、この分布の一般次元トーラス上の確率分布への拡張と関連した統計的手法を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書には、平成26年度には「一般次元トーラス上の分布に関連した統計的手法を議論する」と述べ、実際にこの研究テーマに取り組み、おおむね想定した結果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載した平成27年度の研究計画に従い、「一般次元シリンダー上の確率分布の提案、および、その統計的性質と推測の議論」を行う予定である。
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