本研究の目的は、ミリ波帯の分子原子輝線観測によって、分子雲クランプ内部での星団形成過程を明らかにすることである。星団形成の初期段階にあると考えられる天体G34.43+00.24 MM3に対し、ALMA望遠鏡を用いた高分解能観測を行った。その結果、分子雲クランプ内部に、原始星とそれに付随する極く若い(<1000年)分子流を発見した。さらに、原始星周囲の高温領域が典型的な小質量星のそれに比べ有為に大きいことがわかった。このことは、星団内での星形成は、孤立した小質量星形成とは異なる過程で起きることを示唆している。さらに、分子雲クランプ内部での重水素濃縮度の振る舞いなどについても明らかにした。
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