研究課題/領域番号 |
25400234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
坂本 貴紀 青山学院大学, 理工学部, 助教 (00645161)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高エネルギー宇宙物理学 / 突発天体 / 時間変動天体 |
研究概要 |
本研究はX線領域、そして硬X線領域でそれぞれ全天を監視している MAXI と Swift のデータを連携させる事で 2 keV から 200 keV という 2桁にもわたる広帯域で高エネルギー天体現象を監視する枠組みを構築するという目的で進められている。初年度である平成25年度は、解析用のコンピュータ 3台の購入とウェブサーバーマシンの購入などの解析を始めるための環境構築をまず行った。データ解析を始めるのに先駆けて、Swift 衛星の過去約10年分のデータを準備したコンピュータにアメリカの NASA のサイトからダウンロードするという作業を行った。このダウンロードした Swift 衛星のデータは準備した青学のウェブサーバーから誰でもアクセスできるようにした。また、Swift の最新の観測データは自動的に NASA のサイトからリアルタイムでダウンロードするスクリプトを現在、走らせており、常に最新のデータに青学からアクセスできる体制を整えた。データ解析のパイプラインの開発であるが、過去の Swift 衛星のデータを解析する自動スクリプトは完成し、そのスクリプトを用いて、約1年分のデータ解析は終了した。MAXI は 2009年8月から運用を開始したため、残り3.5年分のデータを3台の準備した解析マシンをパラレルに使って解析を進めている。今のペースで解析を進めれば、後2-3ヶ月で過去のデータの解析は終了できる。本年度は解析環境を整備する事に予想よりも多くの時間を費やす結果となってしまったが、環境が整った今後はデータ解析パイプラインの本格的な開発に集中できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新任として青学に着任した年であったため、解析環境の構築に予想していた以上の時間がかかり、データ解析の鍵となる解析パイプラインの開発を始めるのが当初の計画より遅れた。ただし、解析環境が整った後の過去のデータ解析はスムーズに進んでおり、遅れは取り返しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は残りの過去3.5年分のデータ解析を早急に進め、リアルタイムにデータ解析を進めるためのベンチマーク計測、モニターをする天体の選定、そして平成26年度の目標である突発天体モニターの試験運用を開始する。今年の夏は、Swift チームが所属する NASA Goddard Space Flight Center へ出張し、開発を進めている突発天体モニターについて問題点や改善点などを議論する予定である。
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