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2015 年度 実施状況報告書

多波長で探る宇宙プラズマとダークマターの共進化

研究課題

研究課題/領域番号 25400236
研究機関東邦大学

研究代表者

北山 哲  東邦大学, 理学部, 教授 (00339201)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード銀河団 / 宇宙論 / X線 / ミリ波 / サブミリ波
研究実績の概要

宇宙の構造形成過程を解析的に記述するための最も基本的な理論的枠組みとして広く用いられている球対称崩壊モデルの妥当性およびその物理的根拠を、宇宙論的大規模重力多体系シミュレーションと比較することによって定量的に調べた。その結果、重力多体系が宇宙膨張から分離して収縮を開始する時期を球対称崩壊モデルは系統的に早く見積もっていること、その主な原因は重力多体系内部の密度分布および速度分散の効果が球対称崩壊モデルでは無視されていることにあると考えられること、これらの効果は重力多体系が一定の緩和状態に達した段階での物理量に対しては互いに相殺し、結果的に大規模重力多体シミュレーションの結果と良い一致が認められること、などが明らかになった。これらの成果は、英文の学術論文として平成28年2月に出版された。
また、平成25年12月に観測提案を行い、平成26年8月から平成27年1月に取得された大型ミリ波サブミリ波干渉計による銀河団観測データが、平成27年4月以降に提供されたので、その解析を行った。観測データのキャリブレーションや広がった信号を抽出するための解析手法の確立など、いくつかの技術的な問題点を克服し、現在論文出版の準備を進めている。また、平成27年4月に行った別の観測提案も採択されたので、データが提供され次第、解析を進める予定である。
さらに、平成28年2月に打ち上げられたX線天文衛星ASTRO-Hの初期運用時における観測計画の立案に携わるとともに、平成28年3月に発生した事故の前に取得されていた観測データの出版準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究成果を論文として発表するとともに、最新の装置による観測データが取得され、現在論文を準備中であるため。

今後の研究の推進方策

平成27年度までに得た成果をさらに発展させつつ研究を進めていきたい。ASTRO-Hが事故によって運用停止となったことは非常に残念であるが、事故前に取得されたデータから最大限の成果を引き出すことに貢献できればと考えている。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度に購入したワークステーションについて、メーカーとの交渉の結果、当初予定されていた金額よりも低価格で購入することができたため、若干の残額が生じた。

次年度使用額の使用計画

平成28年度における旅費および物品費として使用することを計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Confrontation of top-hat spherical collapse against dark halos from cosmological N-body simulations2015

    • 著者名/発表者名
      Suto, D., Kitayama, T., Osato, K., Sasaki, S., Suto, Y.
    • 雑誌名

      Publications of the Astronomical Society of Japan

      巻: 68 ページ: 1417

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ダークマターの速度分散の成長とハローの自己相似的進化2015

    • 著者名/発表者名
      須藤大地
    • 学会等名
      日本天文学会2015年秋季年会
    • 発表場所
      甲南大学岡本キャンパス(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-09-09

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公開日: 2017-01-06  

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