原子炉中の中性子反射材としても用いられる9Be核の特異な性質を、α+α+n 3体クラスター模型と複素座標スケーリング法を用いて分析した。結果、基底状態以外はすべて共鳴状態であり、α+α+nボローミン系(どの2体部分系も結合状態を持たない)として、観測されたエネルギー準位すべて再現することを確かめた。最近観測された光分解反応断面積についても、複素座標スケーリング法を用いて計算され、実験結果をよく説明することを示した。光分解反応で8Be+n閾値の上に大きな断面積を持つのは共鳴状態によるものではなく、仮想状態によることを示した。それらの成果を多くの国際会議等で発表し、13編の論文として公表した。
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