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2016 年度 実施状況報告書

弦の場の理論の位相的構造と多重Dブレイン解の物理

研究課題

研究課題/領域番号 25400253
研究機関京都大学

研究代表者

畑 浩之  京都大学, 理学研究科, 教授 (70164837)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード弦の場の理論 / 古典解 / 多重ブレイン解 / KBc代数 / CSFT / BV形式 / BRST対称性
研究実績の概要

平成28年度は、平成27年度に行った「開弦の場の理論におけるタキオン真空解および2重ブレイン解の周りの揺らぎの解析」を出発点として、この解析では示すことが出来なかった「2重ブレイン解の周りの揺らぎにおける4重縮退の存在」をKBc代数およびK_ε正則化の枠組みの中で示す試みをいくつか行った。主な試みは以下の二つである。第一は、平成27年度にあらわに構成した2重ブレイン解の周りの物理的タキオン揺らぎのモードに対して、更に三つの独立な揺らぎを構成することである。ただし、この方法ではタキオンモードに対してしか縮退を直接的には示すことが出来ない。次に第二の試みは、2重ブレイン解の周りのBRST演算子Qに対して、Q P=0 および P^2=P を満たす非自明な射影演算子Pを構成することである。この射影演算子Pが構成出来ると、これを利用して開弦の場を2行2列の行列の形に表し、更に、開弦の場の理論の作用をこの行列に値を取る弦場を用いた、U(2)対称性が自明な形に表現し、すべての揺らぎに対して4重縮退が明白な形式に書き直すことにつながる。
これら二つの可能性に対して、それぞれ解析を行ったが、残念ながら今の所、決定的な結果を得るには至っていない。第一の方法が困難であるのは、平成27年度の解析手法が非常に複雑かつ限定的なものであることが主な理由である。また、射影演算子を構成する第二の方法は、現在も研究を遂行中であるが、K_ε 正則化による様々な恒等式の破れが困難を引き起こしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成28年度より、京都大学理学研究科の副研究科長の役に就き、多忙を極めているため、本研究課題遂行のための十分な時間を取ることが出来なかった事が第一の理由である。また、平成28年度に取り組んだ「2重ブレイン解の周りの揺らぎの4重縮退構造の解明」の課題が、そもそも非常に難しい課題であることにもよる。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、何とか研究時間を確保し、平成28年度に行った試みとは違う観点および手法から、「2重ブレイン解の周りの揺らぎの4重縮退構造の解明」の問題に対して、決定的な知見を得るように努めたい。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度より、京都大学理学研究科の副研究科長の役に就き、多忙を極めていたため、自ら旅費を使用して出張する機会等が得られなかったのが主な理由である。

次年度使用額の使用計画

平成29年度は、何とか研究の時間を確保し、より積極的に科研費を使用できるようにする予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] BV Analysis of Tachyon Fluctuation around Multi-brane Solutions in Cubic String Field Theory2016

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Hata
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 05 ページ: -

    • DOI

      10.1007/JHEP05(2016)022

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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