本研究では、クォーク凝縮の密度依存性を詳細に理論的及び現象論的に決定すること、及び、部分的回復の系統的研究を目的にし、核媒質中の中間子に対するカイラル有効理論を確立することを目指した。そのために、核媒質中のカイラル有効理論をπ中間子と核子系において構築し、核媒質中でのカイラル凝縮、π中間子崩壊定数、波動関数くりこみなどの物理量の見積もりを行った。系統的研究においては、η'中間子とK中間子の核媒質中の性質を調べた。また、密接に関連する話題として、ハドロン質量スペクトルにおけるダイクォークの役割、ハドロン励起状態の複合性、Λ(1405)の構造についても研究を行った。
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