研究課題
空間非局在クラスター波動関数であるTHSR(Tohsaki-Horiuchi-Schuck-Roepke)波動関数が単一であらゆる種類のクラスター構造の状態を良く表現することを確証することがこの科研費研究課題の基礎であるが、研究期間を通じて幾つかの代表的なクラスター状態に対してこの確証は成功裡に行われた。THSR波動関数は1つのContainerを表す関数形から2つ以上のContainerを表現する関数形のものへと一般化された。このことはContainer模型の一般化が達成されたことを意味する。クラスター状態としてはHoyle状態の持つクラスターガス状態とそのBreathing励起状態、3α弯曲腕状態、3αと4αの直線鎖状態、中性子過剰の9Beと10Be基底および励起状態、などであった。最終年度の中心課題は上記の中でHoyle状態のBreathing励起状態と10Beの基底と励起の状態の研究であった。前者は現在論文執筆中で、後者は既に論文投稿した。また一連の研究成果はElsevier社のReview雑誌の「Progress in Particle and Nuclear Physics」に最終年に出版された。一般のクラスター状態が単一のTHSR波動関数で非常に良く表現されるので核構造のAb initio理論として研究代表者が共同研究者と共に新しく構築したテンソル力最適化AMD理論(TOAMD理論)に於いてもAMD波動関数の代わりにTHSR波動関数を用いることも提案された。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (7件)
Physical Review C
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DOI: 10.1103/PhysRevC.93.011306
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