Wilson作用によって場の理論,特にYM理論(非可換ゲージ理論),を構築するにあたって,重要な役割を演じるゲージ不変なオペレーターの性質を調べることを目的として,本研究はスタートした.3年間を振り返ると,Wilson作用の基本的な理解の不足を補うための研究に従事したようだ.Wilson作用間の同等性の概念を導入したことや,与えられたWilson作用に対してエネルギー・運動量テンソルを構築する方法を解明したことが主な成果で,現行の研究につながっている.ようやくYM理論を議論する素地ができた気がする.
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