現代の標準宇宙モデルは、「我々のいる場所は特別ではない」というコペルニクス原理を作業仮説として構築されている。この作業仮説を観測事実としたいところだが、非コペルニクス的な非一様性、すなわち我々を中心として等方的な非一様性が存在するかどうかを直接確認することは不可能であり、間接的に確認することもそれほど容易ではない。本研究での主な成果は、非コペルニクス的な密度揺らぎがコペルニクス原理と整合的な非等方密度揺らぎの重力不安定性による成長や、宇宙背景放射の揺らぎに与える影響を明らかにし、非コペルニクス的な揺らぎにある程度の制限を与えることが可能であることを示したことである。
|