本研究では質量数80領域、質量数100領域、質量数130領域の偶偶核・奇核・奇奇核の低励起状態について、平均場を越えた理論である原子核殻模型を用いて系統的な数値解析を実行した。原子核殻模型の計算結果は偶偶核の集団運動的なエネルギー準位と電磁遷移を再現することに成功した。奇核と奇奇核に関しては、不規則なエネルギー準位と電磁モーメントの計算結果が実験値と良く一致した。これらの計算で得られた原子核波動関数を用いて、ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊の原子核行列要素を評価した。我々の計算では先行研究の結果に比べ、2~3倍小さな原子核行列要素が得られた。
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