高エネルギー原子核衝突反応で生成するクォーク・グルーオン・プラズマ(QGP)に対する流体揺らぎに注目して研究を行った。 初めに相対論的揺動流体力学を定式化し、観測可能量に対する影響を調べた。流体揺らぎは異なるラピディティ領域間の事象平面角相関を減らすことが分かった。また非平衡統計物理学における揺らぎの定理を用いて高エネルギー原子核衝突反応における負のエントロピー生成を議論した。 また、ジェットの伝搬に対するQGPの流体力学的応答を調べた。ジェット軸から大角度方向に現れる低運動量を持つ粒子の生成はマッハ錐という衝撃波の生成と伝搬に依るものと分かった。
|