研究課題/領域番号 |
25400277
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
真貝 寿明 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30267405)
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研究分担者 |
鳥居 隆 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00360199)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 一般相対性理論 / 重力理論 / 重力波 / ブラックホール |
研究実績の概要 |
2016年度(H28年度)は,アメリカのLIGOグループによる重力波初検出の報告がされたことを受け,重力波を用いた一般相対性理論の検証可能性についても研究のテーマを新たに加えた.一般相対性理論が正しいかどうかは,ブラックホールなどの強い重力場での検証が重要になる.折しもLIGOグループによる重力波観測は,これまでに想定されていた以上の質量をもつブラックホール連星の合体を波源とするものであり,理論検証の可能性を強くサポートする.また,銀河中心に存在する超巨大ブラックホール形成史が不確かな現状で,今回の重力波イベントは,ボトムアップ型の形成シナリオを示唆するものでもある.そこで,将来的な理論検証を行うための準備として,近い将来にどれだけのブラックホール合体のイベントが予想されるのかを見積もった.仮定したブラックホール形成モデルや銀河分布モデルが正しければ,日本のKAGRAが本格的な観測を始めた際には,年間で200を超えるブラックホール合体のイベントが得られ,その蓄積からモデルの検証が可能であることを結論した.
重力波を用いた修正重力理論の検証については,現在,具体的なイベントレートの比較や宇宙空間重力波検出器での検出可能性などの考察を続けている.
研究計画で申請していた「Gauss-Bonnet重力理論での特異点形成」については,論文執筆を行った(近日中に投稿できる予定).そして,dilaton場を含めたGauss-Bonnet重力理論での問題に着手し,基本となる場の方程式の導出を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請した研究テーマに関しては,おおよその結論を得ているが,まだ本論文執筆中である.重力波の初検出のニュースが入り,重力波についての研究を先行させる必要が生じ,研究課題の着手順を入れ替えた.
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今後の研究の推進方策 |
平成29(2017)年度が最終年度となる.本論文2本を投稿し,国際会議などで発表することを計画している.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29(2017)年1月に国際学会等での発表を予定し,平成29年度からの予算を20万円前倒し請求したが,学内校務の都合で発表を中止した.また,平成29年3月末の出張旅費については,年度末だったことから収支簿に未記載とされている.
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次年度使用額の使用計画 |
計算結果の解析に必要となるソフトウェアを購入するとともに,国内研究会・学会および国際会議にて成果発表を行う旅費として使用する.
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