研究実績の概要 |
ソリトンを用いた標準模型の構築については、ブレーンワールド模型が構築されるソリトン解の候補として、ドメインウォールに突き刺さる渦糸解について詳細に調べた。このような模型で特徴的なのは、ウォールに渦糸が突き刺さる部分に束縛エネルギーが存在するという点である。この束縛エネルギーをどう見積もるかは最初に坂井・Tongによって与えられたが、その後Auzzi, Shifman, Yungらにより別の見積もりが提案され、問題となっていた。本研究では、解析的、数値的の両面から坂井・Tongの見積もりが正しいことが示され、更にウォール内の磁場の振る舞いも詳細に調べられた。加えて、ウォール・渦糸解を表すソリトン解がDirac-Born-Infled作用を用いて表わされることも明らかにした。
N=2超対称性を用いた新しいハイパーケーラーシグマ模型の構築については昨年度までで計画された研究については完遂している。我々は昨年度までで、すべてのエルミート多様体の余接束を持つような非線形シグマ模型を構築した。今年度は、それから繋がる研究としてエルミート多様体の余接束内の特殊ラグランジュ部分多様体の構築についての基礎研究を行った。
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