クォークを記述する量子色力学(QCD)の特徴として、カイラル対称性の自発的破れという現象がある。本研究は格子ゲージ理論に基づく数値シミュレーションによって、ゲージ群(SU(3)の場合がQCDに対応)、フェルミオン表現、フレイバー数を変えた場合のカイラルダイナミクスを解明することが目標である。格子上で良いカイラル対称性を持つフェルミオン作用を用いた動的シミュレーションを行い、主にSU(2)ゲージ理論に対して、相関関数や固有値モード等の解析によって系の動的性質を調べた。基本表現のフェルミオンに対し相構造のフレイバー数依存性を、随伴表現のフェルミオンに対して格子特有の相構造を明らかにした。
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