研究実績の概要 |
スーパーカミオカンデ検出器がある神岡の北方10kmの富山県内に強力なサイクロトロンを設置し、停止ミューオンによる反ミューオンニュートリノから反電子ニュートリノへの振動を、スパーカミオカンデと、さらに8km南方のハイパーカミオカンデとで検出する実験を、T2K(T2HK)振動実験と統合するTNT2K計画を提案した。実現すれば、レプトン混合に現れるCP位相を正確に、且つ一意的に決定できる。結果は専門誌、JHEPに掲載された。J.Evslin, K.Hagiwara, S.-F.Ge, JHEP 1602 (2016) 137.
また別の可能性として、現在稼働中のT2K実験のニュートリノビーム沿いに遠方検出器を設置する計画、基線長が1000km超の韓国東海岸に設置するT2KK計画、基線長が653kmの隠岐の島に設置するT2KO計画、のそれぞれについて、遠方検出器を有効体積が100ktonの水チェレンコフ光検出器とした場合の、T2Kおよび、T2HKとの相乗効果をニュートリノビームと反ニュートリノビームの比の関数として検討した。ニュートリノ質量の階層性と、レプトン混合行列のCP位相を共に決定できる条件を明らかにした。結果はインターネットで公開され、専門誌EPJCに投稿中である。K.Hagiwara, P.Ko, N.Okamura, Y.Takaesu, arXiv: 1605.02368(May,2016).
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