研究課題/領域番号 |
25400292
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 健悟 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 講師 (10400219)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 第4世代ニュートリノ |
研究実績の概要 |
Ce/Pr反ニュートリノ線源をカムランド外水槽にインストールする可能性を検証した。この線源はガンマ線も出すため、人体への影響を無くす為に厚さ16 cmのタングステンで遮蔽するため、その重量は約3トンに及ぶ。約3トンもの構造物をカムランド外水槽にインストールするので、カムランド本体の強度の検討を終了した。カムランド本体を設計、建設したメーカーと共同で本体強度の詳細解析を行った結果、本来の強度計算には含まれていなかった局所的な荷重を補う補強構造の設計を終えた。また、その建設設置作業が実際に行えるかどうかの検討をするために、普段は閉じられているカムランド外水槽を開け、水中カメラを使って内部調査を行い、カムランド外水槽内へのアクセス方法の検討を行った。これはカムランド外水槽内の光電子増倍管の修復作業の検討も兼ねており、「足場材を持ち込む方法」と「水を張ったままボートでアクセスする方法」の二つを組み合わせれば、現状を破壊することなくカムランド外水槽内部へのアクセスが可能であることがわかった。 次に、Ce/Pr反ニュートリノ線源をカムランドエリアに設置するための 法律上の問題にとりかかった。その結果、Ce/Pr反ニュートリノ線源を輸入する許可を得るには最低2年は掛かることが判明した。Ce/Pr反ニュートリノ線源製作時間、輸送時間や半減期を考慮すると、輸送時期の調整が非常に難しくなることを意味する。そのため、Ce/Pr反ニュートリノ線源を用いない方法で超短基線反ニュートリノ欠損解明する検討も始めた。具体的には、反ニュートリノを発生させるための加速器を用いる方法で、半減期による縛りが無いため、実験のタイミングを逃してしまうリスクが避けられる上、実験時間も長く取ることが可能である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
法律の壁が予想以上に高かった為、新たに解決しなければならない技術的な部分が持ち上がった。
|
今後の研究の推進方策 |
加速器を持ち込む具体的な方法、電力確保、冷却水確保、法律上の問題を洗い出し、最終的にカムランドで第4世代ニュートリノの探索が可能かどうかを見極める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
カムランド内の配管改良に必要な部品を購入する際、特殊な部品(高圧ガス認定品)の納期が予想以上に長かったため、予算の執行が遅れた。
|
次年度使用額の使用計画 |
上記の部品は既に手配は済んでおり4月末には納品されるので、年度明け早々に予算を執行する予定である。
|