実際のCe/Pr反ニュートリノ線源をカムランドエリアに設置するために昨年行った実地調査をもとに、実際に設置する手順を確立した。具体的には、カムランド外水槽の水を抜き上部にある開口部からボートを入れ、カムランド外水槽内でCe/Pr反ニュートリノ線源を設置する作業ができることを確かめた。かなり狭い空間ではあるが、ボートを入れれば足場の設置が可能で、実際の工事も行える事が分かった。また実際にクレーンを設置し、重量物であるCe/Pr反ニュートリノ線源がカムランド外水槽内に挿入する予行演習を行った。以上のことから、当初の目的であった第4世代ニュートリノの探索を行うにあたり、Ce/Pr反ニュートリノ線源をカムランドエリアに設置することが可能であることを示すことができた。しかし、実際にCe/Pr反ニュートリノ線源を輸入するとなると、法律で定められた審査に年単位の時間がかかる事がわかった。 次に、Ce/Pr反ニュートリノ線源が法律上の問題で輸入に時間がかかった場合に備えて、別の方法として加速器を用いたニュートリノ線源をカムランドエリアに設置出来ないかの検討を行った。具体的には、加速器をカムランドエリアに設置するにあたり、カムランドエリアの3次元スキャン、加速器の冷却用の水を確保するための実地調査を行った。既存の装置の一部を撤去する必要はあるが、カムランドエリア内に加速器を設置できる場所を確保できることが確認できた。またカムランドのある神岡鉱山内には地下水が流れており、この地下水を各実験施設で冷却水として分け合っている。これ以上、地下水を他の冷却水に回す余力は残っていないが、各実験施設から排出されている水を再利用できるデザインを行い、必要な水量 5 ton/hr が確保できることを示した。
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