2012年にCERN/LHC加速器で発見されたヒッグス粒子が、標準模型が記述する通り万物の素粒子に質量を与える粒子であるか。この研究ではLHC/ATLAS実験装置で得られた25/fbのデータを用いてフェルミオンとの結合(湯川結合)の測定を行った。 最も重いレプトンであるタウ粒子に対して、標準模型の予言と観測された事象数の比μ=1.43+0.43-0.37となり、約4.5σの有意度で湯川結合の存在を示すことができた。 ヒッグスが直接崩壊できる最も重いクォークであるボトムクォーク対への崩壊数の測定は、クォークにも質量を与えるかの検証となるが、有意度は1.4σに留まり明白な生成の証拠には至っていない。
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